18/10/25

三星葱は品種かブランドか

 三星葱



台湾の葱といえば三星葱というくらい有名だ。日本でいう九条ねぎみたいなものだ。


三星とは台湾北東部の宜蘭県にある三星郷という地名からきている。

青葱文化館というテーマパーク?もあるほどだ。


台湾北東部は海からの季節風の影響を受け、それが山にぶつかることで雨雲が発生しやすく雨が多い地域として知られている。

有名な九分も雨が多いし、台北から宜蘭に抜ける道路である北宜公路もいつも雨が降っている。

余談だが、筆者は宜蘭で「ワイパー付きウインドシールドのあるスクーター」を見ている。というか、宜蘭でしか見たことがない。あれを見て、「ああ、宜蘭は本当に雨が多いんだ」と感じたのだ。いつか買って日本に持っていきたいと思っているがまだその夢はかなっていない。


雨が多く冷涼なほかに、水がきれいなことがあげられる。三星郷があるのは蘭陽平原といわれるところで、中央山脈と雪山山脈の間から流れ始める蘭陽渓が貫いている。国際的なコンペティションで賞を数多くとっているウイスキーメーカーのカバランも宜蘭にある。

そして、蘭陽渓の沖積台地からなる水はけのよい土地があり、昼と夜の気温差が大きい。こういった青葱の栽培によい条件がそろっているのが三星郷なのである。


なお、統計によると「青葱」として生産量が一番多いのは彰化県、雲林県であり宜蘭県は第3位である。

これには理由があり、台湾で栽培されている青葱は大きく2種類あり「四季葱」と「北葱」がある。四季葱は日葱などとも呼ばれ、日本の九条ねぎと同じ種類で冷涼な気候を好む。一方で、北葱は台湾北部で栽培が多かったことからそう呼ばれ、葉が固く、暑さに強いため台湾西部での生産が多い。

やはり、四季葱としては宜蘭が一番なのだ。


日本での葱の栽培は溝を掘ってそこに一列に葱を飢えて土寄せすることで軟白し、白い部分を多くする。台湾の宜蘭では全く異なる方法で栽培している。

まず、水はけをよくするため、大きなかまぼこ状の畝をつくる。そこに乾燥を防止するために稲わらをかける。

そして、畝に特殊な器具で穴をあけて分けつした葱をストンストンといれていく。

畝間には水を張り巡らしたりしており、その土地の気候に合わせた栽培方法があってこそなのだと思う。

資料来源

https://kmweb.moa.gov.tw/subject/index.php?id=73

https://fae.moa.gov.tw/map/food_item.php?type=AS01&id=148

09/12/23

アヒルとカモ

台湾に初めて旅行に来ても、中国語がわからなくても何とかなる場合が多い。

それは、台湾は親日国と言われるし、漢字も日本で使っているものに近い繫体字と言われるものを使っているからだと思う。それに、日本語を話せる人が思った以上に多いのも関係していると思う。

言語の中で、読む・書く・聞く・話すのなかで書くが一番難しいと思うが、読むだけだったらできるという人も多いと思う。台湾の中国語は繁体字だからなおさら読むのもハードルが低い。しかし、同じ中国語でも台湾と大陸で使っている表現が違ったり、日本語と比べても意味が違ってきたりする。よくあるのが「下水湯」で、これはもつ煮込みスープのことを指す。「便當」は弁当だし、「看病」は医者に診てもらうという意味だし、「先生」は~さんという男性への敬称になる。

ところで、台湾では色々な肉が食べられていると思う。牛肉、豚肉、鶏肉、あひる肉、ガチョウ肉、ヤギ肉などなど。意外なのは牛肉を食べない人が多いこと。昔は牛は農耕用に飼育されていた関係もあり、食用にするようになったのは大陸から蔣介石がきてかららしい。この手の話をすると長くなるので別な機会に譲るが、台湾の食文化は民族と歴史が入り混じっていて、それが台湾料理とは、に対する答えが1つでないことの理由なのかもしれない。

ちなみに肉類を表す感じも日本と違うものがあって、「鴨肉」はあひるの肉を指していて、「羊肉」はヤギの肉を指している。そもそも、野生種である鴨を飼育したのがアヒルであるから生物学的にはほぼ同一ではあるのだが。「豬肉」は豚肉で、「山豬」はイノシシになる。じゃあ、「豚」という漢字は使わないのかと思うと、「海豚」と書いてイルカを指したりする。肉以外でいうと、「野菜」と書くと山菜の意味で、「蔬菜」が日本語で言う野菜に当たる。「野生」は日本でいう天然物といった具合である。

読めるけど、意味が違って興味深いのが台湾の中国語の面白さではないだろうか

13/09/20

枝豆と小豆

 日本と台湾の農産物でいうと、枝豆抜きには語れないであろう。なんていっても、昨日の居酒屋で食べた枝豆は台湾でとれたものかもしれないのだ。

枝豆は台湾では中国語で「毛豆(マオドゥ)」という。莢の表面に無数の毛があるからだろうか。ちなみに仙台名物のずんだ餅は「毛豆餅(マオドゥビン)」という。そして台湾では小豆もよく栽培されている。台湾の街中で「紅豆餅(ホンドゥビン)」という看板をみたことはないだろうか。それはまさに日本の今川焼きそのものであり、中身は小豆餡がはいっている。

台湾での一大産地は何といっても小豆が南部の屏東県萬丹郷で、枝豆が同じく崁頂鄉である。台湾の南部であるのでもともとコメの2期作が行われており、第1期が1月から5月まで、第2期が6月から9月までである。その第2期と第1期の間に輪作作物として植えられている。雙十節である10月10日前後に播種されるのが多いようである。

台湾で小豆の栽培を始めたのは1961年(民国50年)で、萬丹郷の人々が実験栽培に成功したそうである。当時栽培したのは台湾の原生種で、台湾中南部・嘉義県の阿里山での在来種であった。枝豆でいうと、1971年(民国60年)に初めて冷凍枝豆の海外輸出が成功し、それ以降栽培面積はどんどん増えている。台湾では「緑金(リュージン)」と呼ばれ、重要な輸出作物である。

屏東県は高屏溪と隘寮溪が合流するところにあり、沖積してできた肥沃な土地である。平地が多く稲作や豆の大規模栽培には適しているのであろう。

枝豆の収穫は日が昇る前から行う。ほとんどの野菜に言えることだが、日が昇ってからでは水分が飛んでしまい、みずみずしさが失われたり、しおれてしまうからだ。日が昇った後は近所の人たちがこぼれた枝豆も拾いに来るという何とも台湾らしいおおらかな話である。機械化される以前は100人単位でヘッドライトをつけながら収穫していたという。

屏東県萬丹郷新荘村
屏東県萬丹郷新荘村

日本の小豆の一大産地は北の北海道であり、台湾の小豆の一大産地は南の萬丹であるのは何とも不思議な話である。


参考文献