日本と台湾の農産物でいうと、枝豆抜きには語れないであろう。なんていっても、昨日の居酒屋で食べた枝豆は台湾でとれたものかもしれないのだ。
枝豆は台湾では中国語で「毛豆(マオドゥ)」という。莢の表面に無数の毛があるからだろうか。ちなみに仙台名物のずんだ餅は「毛豆餅(マオドゥビン)」という。そして台湾では小豆もよく栽培されている。台湾の街中で「紅豆餅(ホンドゥビン)」という看板をみたことはないだろうか。それはまさに日本の今川焼きそのものであり、中身は小豆餡がはいっている。
台湾での一大産地は何といっても小豆が南部の屏東県萬丹郷で、枝豆が同じく崁頂鄉である。台湾の南部であるのでもともとコメの2期作が行われており、第1期が1月から5月まで、第2期が6月から9月までである。その第2期と第1期の間に輪作作物として植えられている。雙十節である10月10日前後に播種されるのが多いようである。
台湾で小豆の栽培を始めたのは1961年(民国50年)で、萬丹郷の人々が実験栽培に成功したそうである。当時栽培したのは台湾の原生種で、台湾中南部・嘉義県の阿里山での在来種であった。枝豆でいうと、1971年(民国60年)に初めて冷凍枝豆の海外輸出が成功し、それ以降栽培面積はどんどん増えている。台湾では「緑金(リュージン)」と呼ばれ、重要な輸出作物である。
屏東県は高屏溪と隘寮溪が合流するところにあり、沖積してできた肥沃な土地である。平地が多く稲作や豆の大規模栽培には適しているのであろう。
枝豆の収穫は日が昇る前から行う。ほとんどの野菜に言えることだが、日が昇ってからでは水分が飛んでしまい、みずみずしさが失われたり、しおれてしまうからだ。日が昇った後は近所の人たちがこぼれた枝豆も拾いに来るという何とも台湾らしいおおらかな話である。機械化される以前は100人単位でヘッドライトをつけながら収穫していたという。
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| 屏東県萬丹郷新荘村 |
日本の小豆の一大産地は北の北海道であり、台湾の小豆の一大産地は南の萬丹であるのは何とも不思議な話である。
参考文献
